令和元年(2019年)6月20日(木) / 日医ニュース
急性期病院の勤務医もいつかはゼネラリストへ
大阪府医師会勤務医部会委員(介護・高齢者福祉委員会)/特定医療法人新仁会新仁会病院名誉院長 鹿島 洋一
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勤務医のひろば
大阪府の南部、和泉市(人口18万5000人)にある慢性期医療を中心とした在宅支援病院で約28年勤務している(勤務当初は急性期病院だった)。
慢性期病院も少しずつ進化し、10年以上前は寝たきり、経管栄養中心で社会的入院が多いようなイメージもあったが、今では、「救急受け入れ」「在宅医療」「退院支援」「丁寧な看取り」「重症患者の受け入れ」等、さまざまな地域医療の一端を担う機能が求められている。
そのため、勤務医には全人的に患者を診る、いわゆる総合診療医的な力量が必要とされている(自信がないという先生方でも心配ご無用。自ずと総合診療医的な見方は培われます)。
私は、元外科医で手術が大好きな人間であったが、手術をする機会が10年前より無くなり、現在は高齢者の何でも診る医師として、退院後の在宅医療も行っている。
地域包括ケアシステムの推進が進められているが、今後、国、行政、医師会を含めて医療・介護の連携が更に進むと思われる。地域包括ケアシステムの本質は「まちづくり」「ネットワークづくり」であり、その役割を担うのは医師会と「かかりつけ医」であるが、地域の中小病院(慢性期病院等)に勤務しておられる先生方にも「かかりつけ医」として活躍して頂ければ、更に地域包括ケアシステムを構築する柱がより骨太になるのではないだろうか。
ぜひとも、急性期医療を任われている先生には、いつかは同じ地域の中小病院に勤務頂き、在宅医療の推進に向けて多職種の方々と一緒に協力頂ければと思う。