勤務医のひろば
私は診療所で働きながら、日医の勤務医委員会と医師の働き方検討委員会の委員となっている。一方、全国医師ユニオンの代表も務めており、労働組合の医師がなぜ、日医の委員会にと不思議に思う方も少なくないであろう。
もちろん、立場や考え方の違いもあるが、一致点も多い。日医共催で昨年11月に開催した「第7回人間を中心とした医療国際会議」の中で、「医師のバーンアウト」の問題が取り上げられた。
日本では、医師の過労死が問題になっているが、国際的には、「医師のバーンアウト」が大きな問題となっている。いずれも、診療環境の問題や患者の要求と現実に提供できる医療のギャップに、現場の医師が苦しむという共通点がある。
このような問題は開業医、一般勤務医、管理者の別なく医師全体の課題であり、医師会の役割は大きいと言える。日医は、日本の医師を代表する組織であるから、さまざまな医師の声を反映する必要がある。
従って、医師のステークホルダーの意見を取り込むシステムが必要であるが、私の存在は日本医師会が医師の多様性の受け皿となる一つの実例であろう。
これからの医師会の発展を考えると、若い勤務医の医師会への参加と活躍は不可欠である。そのためには、若手医師が悩む課題(キャリアデザインやワークライフバランスなど)、また若手医師がやりがいを感じるテーマに医師会が取り組み、医師会が若手医師と対話できる環境を築くことが重要である。
日医は、若手医師で構成する日本医師会ジュニアドクターズネットワーク(JMA―JDN)の活動にも力を入れており、都道府県によっては若手医師の会をつくって、その育成に努めている。
このような取り組みが全国の医師会で行われることを期待して、これからも勤務医の声を日医に届ける役割を果たしていきたい。