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令和3年(2021年)1月20日(水) / 日医ニュース

地域医療を守るために

勤務医のひろば

地域医療を守るために

地域医療を守るために

 綾部市立病院は京都府北部の中丹医療圏に属し、病床数206、急性期から回復期までの包括的な医療を担う地域中核病院である。
 京都府は、人口当たりの医師数は多いが、地域格差が大きく、北部においては医師確保が喫緊の課題となっている。
 京都府立医科大学の関連病院であり、全ての診療科で常勤医による診療体制が望ましいが、人手不足のため非常勤医の派遣を要請している診療科が多い。
 また、宿日直業務も、ほぼ半数を派遣医師に頼らざるを得ないのが現状である。
 1997年に管理型臨床研修指定病院に認定されて以来、研修医の臨床実習の他、医学生と看護学生が共同参画する地域医療実習など、学生、若手医師の育成に病院を挙げて積極的に取り組んでいる。
 そして、京都府医師会が主催する「臨床研修屋根瓦塾KYOTO」。これは、研修医と各地域で活躍する上級医・指導医が一堂に会して症例検討を行うグループ学習であるが、毎回、率先して参加している。
 出身大学や研修病院を問わずチームを組み、ともに学ぶ体験は、臨床の現場で有用な実践的知識・技能を習得できる研修会として、多くの研修病院から高評価を得ている。
 今、地域医療構想、医師の地域・診療科偏在対策、働き方改革、そして新専門医制度など、新たな医療体制の実現に向けた議論が活発化している。
 地域医療を守るために、大学と地域関連施設との良好な人事交流、そしてさまざまな学術交流を通じて、地域医療に関心を持ち、活躍してもらえる若手医師が少しでも多く育成されることを望んでいる。

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