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令和3年(2021年)2月20日(土) / 日医ニュース

国診協と地域包括ケアシステム

勤務医のひろば

国診協と地域包括ケアシステム

国診協と地域包括ケアシステム

 当院は、広島県尾道市北部の中山間地域にある、240床の病院である。私は、一般外科医としてさまざまな病院で勤務した後、2005年から併設の介護老人保健施設(老健)の医師として当院に勤務し始めた。
 国民健康保険の保険者(市町村や国保組合)が国民健康保険法第82条に基づいて設置した施設を国民健康保険診療施設(国保直診)といい、それらが加盟してできたのが公益社団法人全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)である。現在の会員施設は全体で805(病院施設273、診療所施設532)であり、当院もその一つである。
 国保直診とそれ以外の自治体立の医療機関の役割における比較では、「医療サービスの提供」で共通するが、国保直診では更に「地域包括医療・ケアの実践」が加わる。国診協はこの「地域包括医療・ケアの実践」を理念としている。
 この「地域包括ケア(システム)」は、当院の山口昇名誉院長が1983年から提唱してきたもので、2005年の介護保険法改正でこの用語が使用され、2011年の同法改正で自治体において義務化された。
 「地域包括ケアシステム」とは、本人・家族のニーズを実現するために保健(予防)・医療・介護・福祉の分野が、医療機関・介護関連施設・在宅などどこででも、地域(自治会、ボランティア、知人・友人、警察署、郵便局、コンビニなど)と共に、必要に応じて連携・協働するシステムである。
 従って、急性期医療も、医療介護連携も、看取りも、リハビリテーションも、認知症ケアも、行政の保健活動も、それぞれ地域包括ケアシステムの中の一つと言える。
 私は、今後もこの「地域包括ケアシステム」の継続・発展を掲げて、同じ理念をもつ国診協の仲間と共に、一勤務医として邁進(まいしん)していく決意である。

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