勤務医のひろば
岩手県には、県立病院が国内で最も多い20施設あり、県内一般病床数に占める割合は38・7%と高く、県全体の病院患者の内、入院患者の26%、外来患者の42%を占める。
このような県立病院の院長全員が会員となり、岩手県立病院の健全な発展と会員相互の親睦を目的として設立されたのが、岩手県立病院院長会である。
現在、院長会の活動は主にWEBによる行事開催や会員間の情報共有、意見交換となっているが、一昨年までは、年5回の理事会、年2回の院長会総会を開催していた。また、特徴的な活動として、これからの県立病院の進路や現状の課題解決に向けた取り組みなどを提案した「医療局への提言」を、事業管理者である医療局長に毎年手交している。
更に、知事との貴重な意見交換の場として「知事と県立病院長との懇談会」や病院幹部を対象とした「医療講演会」を毎年開催している。
なお、総会や行事の終了後にも知事や副知事、保健福祉部長、医療局幹部との懇親の場を年4回設け、親交を深めている。
一方、運営母体である県医療局は病院長との情報共有や意見交換の場として、年4回の全病院長会議を開催している。
このような環境にある岩手県立病院は、先の東日本大震災や今回のCOVID―19対策では、医師の不足があっても病院間の協力体制構築や県の医療政策の担い手として、十分にその力を発揮してきた。
現在、県立病院が直面している大きな課題は、(1)地域医療構想、(2)医師の不足・偏在対策、(3)医師の働き方改革、(4)累積欠損金を抱えた病院経営―である。
院長会は県立病院の理念である「県下にあまねく良質な医療の均てんを」に立ち返り、前向きにこれらの課題の解決に取り組み、持続可能な未来の県立病院を創ろうと考えている。