勤務医のひろば
縁があり、2011年、院内の人事異動によって、医療安全管理室長を拝命した。自分の人生の中で予想外のことであったが、これを機に考え方も変わり、自分の役割を認識し、立場を考えるようになった。
医療安全は"患者安全"と言い換えた方が良いかも知れない。患者さんが安全で良い医療を受けられるように体制を整えることが、私の業務の最大の目標である。目標が明確なので、ぶれずに済む。
男女共同参画も、医師の労務管理も、「患者さんにとって良い医療になるためにはどうするべきか」という視点で考えることができる。
医師会には、最初は医療安全の立場で関わるようになり、ワークライフバランスや勤務医部会にも参加することになった。
そして、前期理事会より、大学病院から初めて理事として加わることになり、京都府医師会の活動に参加させて頂いた。
理事会では、「医師としてどうあるべきか」という熱い議論を聞くことができ、医療を広い視点で見ることを教えて頂き、心洗われた3年間だった。
議論の際には常に、「これは患者さんのためになるか」という共通の認識があり、必要だと判断されれば、すぐに新しい仕組みができ、行政や外部組織ともつながることは素晴らしかった。
特に、この2年間の新型コロナウイルスに対する京都府医師会理事としての対応では、「医療安全」の世界で重視されているチーム・ビルディングを体感することができた。
タイトルにもある「有能なチーム」は、「有能者からなるチーム」と対比して説明されることがある。患者さんの安全に関わる仕事や医師会の活動に参加でき、信頼できる方々と出会えたことは、私にとって無形の財産になったと思う。