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令和4年(2022年)6月20日(月) / 日医ニュース

離島診療所のやりがい

勤務医のひろば

離島診療所のやりがい

離島診療所のやりがい

 今年で私の離島診療所勤務は通算25年になった。
 一般の医師には縁が遠いであろう、離島診療所勤務のやりがいについて書いてみたい。
 姫島は大分県国東(くにさき)半島の沖合3キロメートルにある人口2000人弱の離島である。
 私の勤務する姫島村国保診療所は島内唯一の医療機関であり、医師3名・歯科医師1名が勤務する10床の有床診療所である。
 私は自治医大卒の義務的勤務として平成5年から3年間を姫島で勤務し、一旦島を離れたものの、義務年限後に再び勤務し現在に至っている。
 離島はとにかく不便で大変なことばかりとのイメージがあるが、大変なだけでは長期の勤務ができるはずもない。
 内地では得がたいやりがいがあると感じており、そのだいご味は、①総合診療のまたとない実践の場であり、成長の場である②地域包括医療ケアの取り組み結果が直接実感をもって反映されやすい③地域住民の長い人生に寄り添った息の長い医療ができる―ことである。
 住民のニーズに応えて診療の幅を広げていくことで、自分で対応できる範囲も広がっていく。
 もちろん、島内で対処できない検査や高度医療については、ドクターヘリ等も用いて確実に高次医療機関へつないでいる。
 この結果、住民健診等の高い受診率に支えられた早期発見・早期継続治療、介護施設との緊密な連携により、島内にCT装置すらないにもかかわらず、姫島村は大分県下の他市町村に劣らない健康長寿を実現できている。
 新型コロナ肺炎の感染防止対策でも、予防医療に理解のある住民の協力により、令和4年4月時点で対象者の9割以上が3回目接種を終えており、学校クラスターはあったものの、高齢者の重症例を出すことなく経過している。
 今後の少子高齢化による難局を乗り越えるためには、元気で自立的な高齢者が互いを支え合う島であり続けることが肝要と考えている。

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