勤務医のひろば
日本医師会が勤務医の医師会への積極的参加を求めるには、勤務医の意見が医師会会務に生かされるように活動し、さまざまな提案を具体的に実行していくことが必要である。中国四国医師会連合では、2019年3月にブロック医師会としては初となる常設の勤務医委員会を設置し、医療に係る問題を勤務医の視点から検証を行い、ブロック医師会で集約された意見を日本医師会へ発信していくための活動を開始した。本委員会は、目的達成に必要な事項を調査研究するために毎年の総会時に勤務医委員会を開催している。
各ブロック内にあるさまざまな課題を解消して、勤務医が一丸となって改革に乗り出すために、全ブロックで常設の勤務医委員会の活動を開始することが必要と考える。
例えば、「医師の働き方改革」に関しては、この改革で患者側に不利益が発生してはならない。「医療提供体制維持と質を損なわない改革」は、患者側も含めた国民的関わりによって更に進むことが期待されている。
特に、夜間・救急医療分野での医療提供体制の維持に必要な若手勤務医・臨床研修医の長時間勤務実態を改善するためには、その要因である手術・緊急外来対応延長と時間外患者説明時間の短縮等の課題を克服することが重要である。
更には、患者・医療者間の信頼関係の構築・醸成に関して、愛媛県医師会(日本医療メディエーター協会四国支部)では2007年から「医療コンフリクト・マネジメント研修基礎編」を開催し、医療現場で発生している「単純過誤」「ボタンの掛け違い」「認知フレームの差」による紛争の発生と激化を予防する手法を学んでいる。現在まで74回開催し、受講者は四国全体で2130名である。愛媛県医師会医事紛争委員会の集計では、紛争件数は確実に減少している。