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令和6年(2024年)6月20日(木) / 日医ニュース

「新型コロナ」のち「医師の働き方改革」との戦い

勤務医のひろば

「新型コロナ」のち「医師の働き方改革」との戦い

「新型コロナ」のち「医師の働き方改革」との戦い

 芳賀赤十字病院は栃木県の南東に位置する県東保健医療圏の基幹病院であり、二次救急を担っている。年間4500台を超える救急車を応需し、広域救急搬送の60~85%を受け入れている。
 当院は2019年に免震構造を有した新病院に移転した。私はその翌年の2020年、新型コロナウイルス感染症による非常事態宣言が発令された中、済生会宇都宮病院の副院長から芳賀赤十字病院の院長に就任した。
 赴任直後から新型コロナに対しての重点医療機関の指定を受け、中等症Ⅱ以上の患者に対して入院対応してきたのは言うまでもないが、2024年4月から始まる医師の働き方改革に対しては、院長就任当初、手つかず状態だったのが悩みの種であった。
 そこで、知り合いの特定社会保険労務士にお願いして雇用契約を結び、2020年5月から月1回のペースで指導を受け、準備を進めた。そのため、栃木県内でも比較的対応の進んだ病院となり、厚生労働省のトップマネジメントセミナーでも事例紹介の機会を得、評価センターからの評価結果を早い段階で得ることができた。
 休日夜間の救急医療は各診療科の当番制で行っており、内科系、外科系、産婦人科、小児科各1名ずつ計4名で対応している。
 年間4500台を超える救急車と4000人を超える直来患者に対応しなければならず、内科系/外科系の宿日直許可は得られていない。
 産婦人科と小児科は、23時から朝まで部分的許可が得られたが、A水準に収まらない医師が全体の10%程度おり、B水準を申請した。
 B水準の医師が所属する診療科においては医師数を増やし、タスクシェアでの対応を考えている。その中で、各診療科の適正な医師数を正確に割り出す方法がないものか模索中である。
 健康確保措置としての勤務間インターバルの正確な把握のためにビーコンを導入したが、自己研鑽(さん)を時間外として申請している医師の指導に関しても利用できると考えている。

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