日医は,会員のために各種の事業を行っている.今回,改めて勤務医の方へ一部の事業の概要を紹介したい.
日医では,昭和62年度より生涯教育制度を発足させた.「生涯教育カリキュラム」に基づいて,各都道府県医師会および郡市区医師会では,医学的・医療的課題について,講習会,実地研修等を数多く開催しており,会員の日常診療に役立てている.
また,日本医師会生涯教育制度では,各会員の学習を単位制で評価し,基準に達した会員には生涯教育修了証,認定証を発行している.この修了証および講習会の受講は,現在,24学会の認定医更新のための単位として認められており,今後,さらに多くの学会に拡大していく予定である.専門医を志向する勤務医にとって,生涯教育制度に参加することは,認定医更新の際,有利である.
「日本医師会雑誌」(年22回)および特別号(年2回)を会員に配布し,多科にわたっての最新の臨床的課題をわかりやすく提供している.特に,特別号は好評である.
AV関係では,「ビデオ生涯教育講座」シリーズを作成している.これは,毎年シリーズのテーマを決め,年間10作品を各都道府県医師会,郡市区医師会に配布している.また,日医企画の「話題の医学」(テレビ東京にて毎週日曜放映)も放送終了後,ビデオ化して,「ビデオ生涯教育講座」などとともに「日本医師会ビデオライブラリーリスト」により,会員に無料で貸出を行っている.リストは,日医雑誌付録として全会員に配布している.
会員専用の図書館であり,貸出と文献複写・文献検索等を中心に会員にサービスを提供しており,FAXによるサービスの提供も行っている.開館時間は代議員会開催時を除く,平日10時〜17時である.文献複写・検索サービスには所定の用紙が必要なので,医学図書館に申し込みいただきたい.
(TEL : 03―3946―2121(代),FAX : 03―3942―6495,e-mail : jmalib@po.med.or.jp)
(http://www.med.or.jp/)
会員にアップデートな医療情報を提供するため,平成9年1月にホームページを開設した.そのなかのメンバーズルームは,会員専用となっており,専用のアカウントを取得することにより利用できる.ここでは,会員に医療情報,統計資料等多くの有益な情報を提供している.また,日医雑誌掲載論文およびビデオライブラリーのキーワードによる検索,日医雑誌バックナンバー購入および論文複写の申し込みができる.
医師年金は,日医が会員福祉の一環として発足させた共済型の年金制度である.「医師のための医師による制度」として,市中の一般商品では期待できない利便性を備えている.医師年金の特色は,次のとおりである.
(1)ライフスタイルに合わせて受け取れる年金
個人のライフスタイルに合わせて,将来,必要な年金額を自由に設計できる.いつでも掛金の増減や必要に応じた払込もできる.
(2)子弟の育英資金
すでに積み立てた加算年金の全部,または一部を子弟の育英年金として受け取ることもできる.
(3)休業時の生活資金
傷病により診療に従事できないときに,すでに積み立てた加算年金の全部,または一部を傷病年金として受け取ることもできる.
(4)基金は有利な運用
民間最大のスケールメリットにより,年金基金は有利に運用され,剰余金は加入者と受給者に還元される.
(5)万一の場合の死亡一時金
加入後1年以上経過し,受給前の加入者(延長者も含む)が死亡した場合は3,000,000円の死亡一時金も支給される.
会員の方に安心して,医療活動に専念していただくために,万一,医療事故が発生したときの保険として,医師賠償責任保険を設けている.これは,会員の医療事故によって紛争が起きた場合,賠償と紛争の解決を日医,都道府県医師会,保険会社の三者がバックアップする制度である.
今回は,勤務医の方に事業の一部を紹介したが,日医ではこの他にも多くの事業を行っているので,積極的にご利用いただきたい.また,意見,希望等があれば,ぜひお寄せいただきたい.
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