東京都医師会勤務医委員会に参加して
日本大学医学部の附属病院である当院は東京の城北地区に位置し,主に板橋区などの城北各区のみでなく,東武東上線沿線の埼玉県からも多くの患者さんを受け入れている特定機能病院である.周囲には高い建築物が少ない関係で,病棟から望む富士山の方向に沈む夕日と,池袋・新宿方面の夜景は絶景である.
さて,このたび,東京都医師会の勤務医委員会副委員長として2年間,佐々木東京都医師会長から「医療連携における勤務医の役割」という諮問をいただき,答申の取りまとめにつとめてきた.
今回は,今までの管理職中心の委員と異なり,東京都医師会の田中・樋口両理事の発案のもと,石川委員長と,都内12大学病院の第一線で外来・病棟業務,学生・研修医教育に日々働いている講師クラスの中堅医師の構成による委員会が結成され,活発な意見が交換された.
答申に関しては,全文が都医師会誌に掲載されているので譲るが,最近の勤務医事情について述べる.
日本大学医師会は,641名の会員数があり,都大学医師会では最大の会員数である.しかし,若い医師の医師会活動への無関心は,他大学と同様であ
る.
それでも,日医認定産業医講習会やケアーマネージャー試験対策講習会などへの参加を通じ,また,6カ月から1年で出向転勤の多い無給医師が,大学医師会の医師国保に加入することを通じ,医師会とのかかわりも増えてきている.
また,医師会未加入の医師の増加をみるにつけ,医師になってからの勧誘も重要ではあるが,若い研修医からみて医師会の存在が見えないことも原因の1つと思われる.
このことからみて,医師になる前の教育として,医学部1年次の医学概論で医師会長が医師会の意義と役割について,また,3年次頃医療管理学などで再度医師会の機構・構成について,学問的に講演する機会があってもよいと考えている.
(日本大学医学部附属板橋病院泌尿器科教育医長 斎藤忠則)
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