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第1005号(平成15年7月20日) |
イローン・ハンローン
平成十四―十五年東京都医師会勤務医委員会は,「勤務医の現況―二〇〇三―」答申書を提出した(本紙一〇〇三号参照).
答申書のなかで,一同が合意したことは,むしろ付属資料「自由意見キャッチフレーズ・イレブン」のインパクトである.
「勤務医の献身的努力が支える世界最高評価の医療保険システム」
「医師にも労働基準法の適用を,過労は医療の質を低下させます」
「大学病院医師の給与実態:卒後二十年目の心臓外科専門医で手取り三十六万円」
「大学病院の勤務医は,時給にしてハンバーガーショップより安い場合も」
「疲れきった人間があなたの主治医.皆さんは知っていますか?」 「国民の生命を守るためにどのくらいの予算を投入すべきか?皆さんも考えてみては?」
「医師になっても自活できない現状は常識的にもおかしい」
「アメリカ並の医療をめざすなら,医療費と医療スタッフもアメリカ並みに」 「医師過剰って本当?大学病院の小児科医はみんな辞めたがっている」 「これでいいのか!小児医療:日中の外来は混むからと夜間救急外来を受診する母親たち」
「産休中は無給.育児休暇を取りたければ失職:大学勤務の女性医師」 答申書結語より抜粋:
東京都内に勤務する医師の現状は劣悪である.勤務医の勤務状況を改善して東京都民の健康を維持するためには,まず,現場の窮状を強く社会に訴え,都民の力を借りてでも,よりよい医療政策を形作るという勇気が必要ではないか(略).
日医と勤務医のギャップは大きいが,建設的な姿勢で臨みたい.
(日本医科大学第一内科助教授 清野精彦)
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