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第1019号(平成16年2月20日) |
平成15年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会
新医師臨床研修制度のスタートへ向け,勤務医の医師会活動を一層活発に
平成十五年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会が,昨年十一月二十八日,日医会館にて開催された.担当の星北斗常任理事が海外出張のため,羽生田俊常任理事の司会進行で協議が進められた.
冒頭のあいさつのなかで,坪井栄孝会長は,「医療政策へ財政の介入が進むなか,医療安全対策を含め,国民の信頼を勝ち得るような勤務医の医師会活動を期待したい」と述べた.
勤務医会員比率46.7%,十三道府県で50%を超す
平成十五年八月一日現在の日医会員数は十五万八千二百五十一人(前年比〇・八%増)で,うち勤務医は七万三千八百五十二人(前年比〇・七%減),全会員の四六・七%で前年の四七・四%より〇・七%の減少となった(図).このなかで,宮城県,愛知県をはじめ,二十四府県において勤務医会員数の減少がみられた.
日医会員における勤務医会員比率が最も高かったのは鹿児島県の六二・八%で,十三道府県で同比率が五〇%を超えた.
勤務医会員の構成割合の年次推移(日本医師会)
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盛会であった全国医師会勤務医部会連絡協議会(奈良)
本年度の全国医師会勤務医部会連絡協議会を担当した奈良県医師会の山本博昭理事から,「今,求められる医療―質・研修・評価―」をメインテーマとして,卒後臨床研修をテーマにシンポジウムで活発な討議がなされたことなどが報告された.
都道府県医師会の勤務医活動報告
埼玉県医師会の森弘一常任理事より,昨年六月に設立された勤務医部会の経過報告がなされた.そのなかで,「勤務医のあり方検討委員会」の三年あまりの活動の後,「設立趣旨」「規約・会則」「会費」「勤務医の意識調査の分析」「勤務医の会員福祉」の五つのプロジェクト委員会が立ち上げられ,勤務医の持つ多くの課題について検討を重ねたうえ,設立されたことが紹介された.
次いで,佐賀県医師会の宮本祐一常任理事より,佐賀県の勤務医部会の活動と勤務会員の現況が報告された.
佐賀県医師会での役員への勤務に関するアンケート調査を通して,勤務医の医師会活動における諸問題を確認するとともに,勤務医が会員の約半数を占めるにもかかわらず,都道府県医師会における役員さらに日医の代議員における比率が低い現状を医師会全体としても認識し,勤務医の意見を広く代弁するシステムを再考すべきであると強調した.
最後に,沖縄県医師会の安里哲好常任理事から,六五%という高い沖縄県医師会の勤務医会員の比率が紹介され,勤務部会の活発な活動状況の報告がなされた.
つづいて,いくつかの重要課題についての協議に移った.
新医師臨床研修制度について
研修医の医師会入会促進ならびに医賠責保険加入についての質疑があり,羽生田常任理事より,日医執行部としても前向きに取り組む旨,回答がなされた.
臨床研修における指導医の養成についても多くの意見が出された.指導医の講習会は,地域でも積極的に開催していただきたい,修了証は日医会長名で発行するとのことであった.研修医の報酬,社会保障,研修の評価の問題についても多くの議論がなされた.
勤務医部会新設・公的病院B会員の集団的退会について
千葉県医師会において,本年二月に勤務医部会が設立されることが報告され,新医師臨床研修制度が一つの関心の高まりの要因であるとのことであった.
一方,公的病院会員を中心に会費自己負担化に伴い,退会が依然続いていることについて,勤務医に医師会の活動内容を,もっとよく周知してもらう努力が必要との意見が出された.
新研修医への医師会オリエンテーション・女性医師の問題について
群馬県医師会および島根県医師会において,毎年,新研修医へ保険診療,医療事故,会費,医師会活動を中心としたオリエンテーションを行っており,好評であることが報告された.
また,女性医師が増加しているにもかかわらず,現場においては,まだまだ女性医師が勤務しにくい状況があり,積極的な対策を要するとの話題も出された.
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