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第1053号(平成17年7月20日) |
勤務医不足と医事紛争
地域中小自治体病院の勤務医が足りない.足りないというより偏在か.そのため,勤務医の負担が過重になっている.
さて,最近は診療した結果が良くないと,それは医療ミス,または,事故ではないのかといわれかねない風潮があるような気がしてならない.
病気の治りが良くなかったり,悪い結果になると,病気が原因であるのに,医師が悪いからそうなったのではないかというように思い,医師を責める患者さんや家族が多くなったように感じているのは私だけであろうか.
最新の医療で医師に診てもらい,治療すれば病気は治るものだと信じているのだろうか.医療の不確実性という視点が欠落している.
そして,医師不足の病院の勤務医は多忙で,医療の不確実性を十分に説明できないでいるのではないか.そこに医事紛争が起こる原因のひとつがある.
これは,患者さんと医師双方にとって不幸なことである.
医師不足だから医事紛争になる,といった短絡的なものではないが,勤務医に時間的余裕が不足していることは問題である.医師不足と多忙な勤務,これを解消する特効薬はない.
医師会員である勤務医も少なくない.医師会は,勤務医の労働環境を改善するためにも力を入れるべきであろう.少しでも無意味な医事紛争を減らし,患者さんとのより良い信頼関係を構築するためにも.
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