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第1073号(平成18年5月20日) |
勤務医部会の充実のために
福岡県医師会勤務医部会は,昭和六十年に設立され,二十一年の歴史がある.勤務医部会活動の充実のため,県医師会長から諮問を受け,活動の目標にしている.今年は,「医療変革期における勤務医の役割」をテーマに委員会で検討し,見解を取りまとめて答申した.
今や会員の約半数を占める勤務医の役割は,医療変革期においてさらに重要になると思われる.この変革期に日本の医療を守るためには,医師会の結束力を強め,開業医と勤務医が協力して,この難局に当たることが重要である.
また,郡市医師会での勤務医部会活動の充実も必要である.八女筑後医師会では,勤務医部会総会を開催し,勤務医の結束力を高め,病診連携,病病連携を強化し,勤務医の医師会入会を促す予定である.
勤務医部会研修会を毎年春に開催している.今年は三月十一日に福岡県医師会館大ホールで開催し,「医師臨床研修制度の評価と今後」をメインテーマにシンポジウムを行った.研修医の立場と指導医の立場から問題点を抽出し,より良い臨床研修制度確立のための議論を行った.特に,研修医三名がシンポジストとして参加し,研修医のアンケート調査の結果を発表し,より問題点が明確になり有意義であった.一方,スタッフ不足,指導の質や診療科による温度差など,指導医側にも改善すべき問題が多いことが指摘された.
福岡県の勤務医の多くは,大学病院や臨床研修指定病院に勤務しており,二十一世紀の日本の医療を支える医師の教育は,勤務医の重要な役割と考える.
(福岡県医師会勤務医部会委員長・公立八女総合病院長 吉田 博)
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