日医ニュース
日医ニュース目次 第1091号(平成19年2月20日)

勤務医のひろば

蜃気楼でない勤務医部会を目指す

 いよいよ,富山県医師会にも勤務医部会が発足することになった.以前より,医師会は開業医の会として国民に見られてきた経緯がある.現在,医師会の約半数を勤務医が占めるようになり,情勢は変化しつつあるにもかかわらず,医師会の役員は開業医中心に構成されている印象がある.
 しかるに,富山県では勤務医が県医師会役員の三六・八%(全国で一六・八%)を占め,日医代議員は三名中二名(六六・七%)が勤務医(全国では五・一%に過ぎない)である.しかも,積極的な活動をする女性医師が二人,県医師会の理事として参加している.勤務医活動を考える場合,女性医師とのかかわりなしでは論じ得ないであろう.そこで,富山県では,勤務医部会設立に加え,車の両輪となる女性医師部会の設立を予定している.
 特に地方においては,医師不足,偏在に起因する過重労働,開業への変更など,勤務医にとっては激しい向かい風状態にある.これらの難問に対し,両部会が手を携えて,住民を巻き込んでの問題解決を目指している.
 富山県は蜃気楼で有名であるが,新しい勤務医部会が幻に終わることなく,全国に発信できればと考えている.

(富山県医師会常任理事・富山大学医学部第一外科教授 三崎拓郎)

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