日医ニュース
日医ニュース目次 第1181号(平成22年11月20日)

勤務医のひろば

北空知医師会が行う新しい休日当番制に至るまで
深川市立病院脳神経外科/北空知医師会救急部長 代田 剛

 北海道には二十一の二次医療圏があり,本地域は北空知医療圏として,その一つを構成している.住民の多くは,この域内にある病院,診療所を受診する一方,隣接の中空知や上川中部圏の医療施設を受診している人達もいる.しかし,その数は多くはなく,本地域が相応の医療圏を構成している.
 当医療圏は,一市五町からなり,人口はおよそ四万人である(二〇〇五年国勢調査より).域内では深川市立病院が唯一の二次救急病院である.
 新医師臨床研修制度が導入されてから,市立病院の常勤医が減少した.一方,休日や夜間に一次救急として受診する患者は年々増加し,常勤医の減少と相まって,残った市立病院勤務医の休日と夜間の労働は増加の一途であった.この市立病院勤務医の負担,特に一次救急における負担の軽減を図る声が,市立病院医師と,それ以外の北空知医師会の医師より上がった.互いの内部での話し合いと,相互の意見調整を約一年かけて行い,新しい案が出来上がり,本年十月より実施している.
 これまでと違う点は,それまであった日曜当番制を祝日まで広げるとともに,施設単位で担当していた体制を改め,賛助可能な医師にも加わっていただき,より大勢の医師で一次救急を担うようにしたことである.さらに市立病院では,当番に当たっていない時にも受診する患者が少なくないので,出来得る限り当番医は市立病院で診療を行うことにした.これは,患者にとっては休日ごとに施設を探さずに済む利点がある.また,開業医には休日診療を自分の施設で診療してもよい体制を残し,全施設が加わって行う体制をとった.
 小さな医師会であり,互いに意見を尊重出来る背景があったので,この制度が成立したと考える.今後の課題は,市立病院への集約とコンビニ受診の抑制を進めることと思われる.

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