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第1211号(平成24年2月20日) |
女性医師支援制度の活用について
足利赤十字病院長 小松本 悟
勤務医である院長が,医師の立場に立って,医師の働きやすい職場を提供することが肝要である.やはり医師/院長というアドバンテージを生かし,リーダーシップを持って,医師の処遇も含めて考えるべきであろう.
当院では,女性医師がキャリアを中断せずに働き続けられる支援制度の一環として短時間正規職員制度を導入し,常勤医と新しいタイプの「ワークシェアリング」を行い,チーム医療体制の充実を図るだけではなく,モチベーションを高めることで正規就労への早期復帰を促す環境を整えている.また,女性医師出産後の処遇についてもさまざまな制度を構築している他,いろいろな背景を持って医療の現場に戻ってくる女性医師の再教育事業にも力を入れている.
新病院完成とともに,ハード面にもいろいろな工夫をした.託児所を併設し,病児,病後児にも対応,夜間託児も可能となっている.女性医師専用のロッカー室,当直室設置,女性ラウンジも総合医局内に設けた.
最近の若い勤務医のモチベーションファクター,モチベーションフィルターは多様化しているため,個人個人のモチベーションのマーケティングをした上で,枠組みに縛られることなく,各利用者の事情に合わせ「テーラーメイドの対応」を行っている.また,当院では男性医師の育児休暇取得を推奨しており,それらの実績から,「子育てにやさしい事業所」として栃木県知事賞が授与された.
今後は,女性医師への支援等の取り組みを更に充実させ,女性職員にとって働きやすい,勤めて良かったと言える職場環境の提供に院長/勤務医として努めていきたい.
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