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第1251号(平成25年10月20日) |
勤務医座談会(第2回)7月12日開催
「勤務医の組織率向上に向けた具体的方策」をテーマに
勤務医は具体的に医師会活動を知り得ているのか,どのように情報発信するか
泉委員長 |
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泉(司会)「勤務医は具体的に医師会活動を知り得ているのか」についてお話し下さい.また,どうしたら勤務医に医師会の情報を伝えられると思われますか.
梅邑 医師会活動について,私は具体的にはあまり知りません.今回,日医のホームページを見てみましたが,議事録や報告書など,一つひとつが長くて,全部を読む気にはなれませんでした.学会発表ではありませんが,もっと簡単に,一目で要旨が分かるような工夫をした方がいいのではないかと思います.
杉山 医師会がどういう組織なのかを知らないということもあって,私もホームページを見てみたのですが,分かりにくかったです.もっと若い先生が身近に感じるような,医師会の活動を簡単にまとめたものがあればいいと思いました.
また,若い世代の先生が医師会を知る機会や,医師会を身近に感じる方法など,ホームページを見てもらう前の段階の取り組みが欠けている気がします.
長沼 透 氏 |
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杉山 迪子 氏 |
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長沼 私も医師会の広報活動などについては知りませんでしたが,こうした会に何度か出席させて頂き,医師会が勤務医支援の活動を行っていることは,理解してきています.ただ,能動的に医師会の情報を集める人は限られていると思いますので,ホームページにたどり着く手前の段階が,重要なのではないでしょうか.
例えばメーリングリストなどのように,簡潔に要点をまとめた情報が自動的に効率よく勤務医に届くような形で,発信していくべきだと思います.
それは,医師の仕事の傍らで出来ることではないと思いますので,メディア戦略等についてトレーニングされた専門職の力を活用すれば,より良くなると思います.
江崎 そもそも医師会は,医療に関することで国と交渉出来る唯一の機関です.私は,医師会の力そのものは大きいし,いろいろなことをまとめたり,広報したりする力も備わっていると思います.あとは,医師会の取り組みそのものが,もしかすると一番問われているのではないかという気がしています.
梅邑 ホームページに関して言えば,まず自主的に見に行くことが普通はありませんし,情報を取りに行っても,見つけられませんでした.情報の提供の仕方にも,工夫の余地はあると思います.
杉山 情報の提供の仕方については,例えば登録をしている医療関係のサイトからも,頻繁にメールが送られてきますが,量が多いこともあって,忙しいと読まずにたまってしまいます.時間があればいいのですが,情報が多過ぎると取りにくいということがあるかも知れません.
長沼 見出しや要約などをうまく簡潔につくれば,全員ではないにしても多少興味のある人が,大量にある情報の中から必要なものを選んで進んでいくのではないでしょうか.
梅邑 明子 氏 |
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土岐 善紀 氏 |
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土岐 日医では現在,一方向性の情報発信しか出来ていないという話が出ましたが,それは今抱えている日医の問題を象徴しているのではないかと思うのです.ある程度,情報の質が玉石混交になることには腹をくくって,双方向型,あるいはSNS型のマルチディレクショナルな媒体,通信ツールの活用を考えてはいかがでしょうか.情報の共有化が短時間に出来て,有用性があるかと思います.
また,情報の出し方についてですが,日本では,「自分の待遇を良くしろ」などというようなことは,自分では言い出しにくいところがあります.医師会が,医師の待遇改善を訴えても,一般の人は「利権を貪(むさぼ)ろうとしている」としか捉えかねない.そこで手詰まりになってしまい,勤務環境が改善されないまま,ますます勤務医数が減少し,このままでは日本の医療は将来成り立たなくなってしまう.そういった現状が,国民にはあまり伝わっていないのではないでしょうか.
勤務医の労働環境が改善されることで,医療の質が上がり,患者さんの利益にもつながるということを,勤務医に代わって医師会が,国民の理解を得るような形で,アピールして欲しいと思います.
江崎 卓弘 氏 |
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梅邑 大学を卒業する際に,日医発行のテキストが一冊送られてきました.医師会から届いたことは分かりましたが,医師会って何だろうということまでは,考えが及びませんでした.テキストに同封されている医師会のパンフレットに,入会のメリットを載せるなど,具体的なアピールをすることも一つの方策だと思います.
江崎 勤務医に医師会を知ってもらうというよりも,医学生の時に,医師会はどうしてもっと関わらないのでしょうか.
例えば,医師会員であり,大学の教官でもある先生の協力を得ながら,学生に医師会のことを知らしめる,あるいは医師会そのものが大学医学部に直接何らかの働き掛けをする方が,私はいろいろな意味でいいのではないかという気がします.
勤務医は医師会員の五割近くを占めていますが,勤務医といっても基幹病院や私的な中小病院まで勤務環境に幅があり過ぎて,全ての勤務医が同じような考えを持っているとは思えません.勤務医になるもっと前の段階から接していく方が,効果的だと思います.
杉山 確かに医学生の時に医師会の話を聞いていれば,印象も変わると思いますし,臨床研修修了後や,ある程度専門科に進んだ後に,直接話を聞く機会があれば違うと思います.若い先生にとって興味のある,例えば読影の仕方の勉強会などを地域の医師会が主催して,その際に医師会についての説明を行うなど,医師会に関わる機会が増えれば増えるほど,医師会への理解は深まっていくと思います.医師会と若手医師との間に,会議の主題などで,求めるものにずれもあると思うのですが,回数を重ねて,そういったことがなくなっていけばいいのではないかと思います.
長沼 医師会の集まりに行くと,プレゼンテーションの仕方が分かっていないのではないかという印象を持ちます.医師会がどういう組織で,どういう変遷で,今会員がどれくらいいてといった,医師会のアピールや勧誘を前面に出してこられますが,正直,私たちはそういうことにはあまり興味を持っていません.医師会が勤務医のために具体的にどういう行動を起こしてくれるのか,あるいは,医師会に属することでどういうことを変えられるのか,そういうことを実感出来た方がアピールになるのではないでしょうか.ある程度の時間をとって会を開くのであれば,双方向で意見を出し合うなど,議論を活発にして,そういったことに対して真剣にディスカッションをした方が,余程勧誘になるのではないかと思います. 土岐 医局の若い先生は,専門領域に関する学術誌をよく読んでいますし,『日医雑誌』の生涯教育シリーズは内容も分かりやすく,研修医にも好評です.そういった医師会が発行している雑誌の中で若手医師によく読まれているものを調べて,その誌上で広告や勧誘を打っていくのが効率的ではないかと思います.
また,以前,大手新聞の誌面やテレビコマーシャルを使って,勤務医の労働環境改善に関する広告を日医が出した時に,大学病院の外科医らが興味を持ちました.共有出来る問題点で興味を引きつけるのは効果的だと思います.
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