日医ニュース
日医ニュース目次 第1288号(平成27年5月5日)

日医定例記者会見

4月8・15日
日医健診標準フォーマットの定着に向けて運用開始

日医定例記者会見/4月8・15日/日医健診標準フォーマットの定着に向けて運用開始(写真) 羽鳥裕常任理事は,日医において作成した「日医健診標準フォーマット」の運用を開始したことを報告し,医師会共同利用施設等での利用を通して,健診フォーマットを定着させていきたいとした.
 日医では,平成二十七年度の事業計画の中で「生涯保健事業の推進による健康寿命の延伸」を掲げ,乳幼児期から高齢者に至るまで,医療等IDを活用して,必要な健診項目を網羅した保健事業を展開し,蓄積されたデータが国民の健康管理に適切に反映されるような仕組みを講じることとしている.
 本フォーマットはこの趣旨に基づき,日医総研で行った「健診データにおける標準的なフォーマットの策定に関する研究」の成果を基に,本年四月よりその運用を開始したものである.
 本フォーマットは,さまざまな仕様の健診システムからデータをCSV(カンマ区切り:Comma-Separated Values)形式で出力し,日医から提供する「変換ツール」を用いて変換するもの.その内容は,健診データ八百六十一項目,特殊健診データ百二十七項目などからなっており,国内の医療データや健診データの交換規約や,国際標準の規格にも対応できるものとなっている(平成二十七年中には「妊婦健診」「乳・幼児健診」「児童生徒健診」にも対応する予定).
 同常任理事は,将来的には本フォーマットを運用することによって,日医や地域の医師会に健診用のデータベースを設置し,医療機関からの健診データが取り込まれることを想定しているとした上で,「データ参照機能」により,転居などで居住地域が変わっても,健診機関や医療機関を通して住民自身が健診の履歴を閲覧できるようになるなどのメリットを説明.また,「分析機能」として,地域保健や職域保健の間や行政組織間,健診関連団体間などでも標準化されたデータを集積することで,個人情報に配慮しつつビッグデータとしての活用も進められるようになるとした.
 更に,同常任理事は,今後の健診データの活用に向けて,(一)医師会共同利用施設を対象とした,大規模データの長期保管に対するサポート体制,(二)医師会や医療機関が健診データを閲覧するシステム,(三)集積したデータを分析する機能や体制─の構築を検討する必要があるとした他,「今年度は,いくつかの医師会立病院や健診センターの協力を得ながら,全国規模の標準化された健診データの活用を進めていきたい」とした.

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