日医ニュース
日医ニュース目次 第1298号(平成27年10月5日)

横倉会長
歳出効率化に資する優良事例の横展開のための健康増進・予防サービス・プラットフォームに参加

横倉会長/歳出効率化に資する優良事例の横展開のための健康増進・予防サービス・プラットフォームに参加(写真) 横倉義武会長は9月9日、「歳出効率化に資する優良事例の横展開のための健康増進・予防サービス・プラットフォーム」の初会合に出席した。
 本会議は、平成27年第14回経済財政諮問会議(7月23日開催)において、安倍晋三内閣総理大臣から、「『経済・財政一体改革』の初年度にふさわしい28年度予算とするため、今後、概算要求基準も踏まえ、政策効果の高い施策への重点化、また、新たな歳出改革である『公的サービスの産業化』『インセンティブ改革』『公共サービスのイノベーション』といった『経済財政運営と改革の基本方針2015』に盛り込まれた、これらの歳出抑制につながる制度改革の推進に政府を挙げて取り組み、各府省で知恵を競って頂きたい。健康増進・予防サービスに関する優良事例の全国展開は重要である。新たなプラットフォームを活用し、関係大臣の協力を得て、積極的に横展開を図って欲しい」との指示を受けて、甘利明内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、健康・医療戦略担当大臣の下に設置されたものである。
 その中では、(1)医療保険者によるデータヘルス等、(2)生活習慣病等の重症化予防、(3)企業による健康経営、(4)ヘルスケア産業の創出・育成、(5)ITの利活用および規制改革等の制度改正─の5つの取り組みを通じて実現される市場創出効果の検討を行うものとされている。
 当日は、政府側から甘利特命担当大臣、塩崎恭久厚生労働大臣、宮沢洋一経済産業大臣、西村康稔内閣府副大臣が出席。会議の司会進行を甘利特命担当大臣自らが務め、優良事例の創出・全国展開に向けた取り組み状況についての報告と意見交換が行われた。
 横倉会長は構成員として参加し、7月10日に発足した「日本健康会議」の概要について報告。引き続き、同会議の渡辺俊介事務局長が今後の活動について説明した。また、「次世代ヘルスケア産業協議会」と「スマートウェルネスコミュニティ協議会」からも報告があった。
 意見交換の中で、横倉会長は、「わが国には、乳幼児期から高齢期に至るまでずっと、健康診断の枠組みがあるが、実施主体や所管省庁などが異なっているため、データがきちんと管理されておらず、健康情報が活用できていない。健康寿命の延伸に向けて、一貫した『生涯保健事業』とすることが大事である」と指摘した。
 また、行政、企業、医療関係団体などが一緒になって40年以上運営し、広く市民に定着している福岡県大牟田地域の健康づくり事業の例(「健康づくり市民大会」と「みんなの健康展」を毎年9月に開催)を紹介、身近なところに成功事例があることを示した。
 関係閣僚からは、「この会議では、医療費を無理やり機械的に削減するようなやり方はとらない。民間の知恵を活用して、好事例を全国に展開し、結果として適正になるようにすることを目指している。わが国を、少子高齢化など課題解決先進国として、海外から見学に来てもらえる国にしていきたい」旨の発言があった。
 また、経済界からは、「医療費を適正化することは必要だが、そのままでは経済が縮小してしまう。新たな市場の創出、経済成長につなげていくためにも、健康予防サービスの産業化が重要であり、そうすれば、結果として労働者の生産性がアップし、企業価値も上がる」旨の発言があった。

「歳出効率化に資する優良事例の横展開のための健康増進・予防サービス・プラットフォーム」

構成員:
(1)メンバー

 甘利  明 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、健康・医療戦略担当大臣
 塩崎 恭久 厚生労働大臣
 宮沢 洋一 経済産業大臣
 伊藤 元重 経済財政諮問会議民間議員
 新浪 剛史 経済財政諮問会議民間議員
 三村 明夫 産業競争力会議構成員、日本商工会議所会頭
 横倉 義武 日本医師会長
 永井 良三 自治医科大学長

(2)医療保険者・医療関係者(オブザーバー)
 大塚 陸毅 健康保険組合連合会長
 小林  剛 全国健康保険協会理事長
 森  民夫 全国市長会長
 木 幹正 日本歯科医師会長
 山本 信夫 日本薬剤師会長
 坂本 すが 日本看護協会長
 遠藤 久夫 社会保障審議会医療保険部会長(学習院大学経済学部教授)

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