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定例記者会見 「救急災害医療対策委員会報告書まとまる」 ―石井常任理事 |
報告書は、(1)災害医療対策、(2)救急医療対策―の2部構成となっている。 (1)では、今回の東日本大震災におけるJMATの活動について検証するとともに、昨年実施した「災害医療に関する調査」の結果も踏まえて、今後に向けた取り組みをまとめている。 その中では、JMATとDMATとの連携、被災地のコーディネーター機能下における活動などを述べるとともに、災害医療の取り組みの中で最も遅れている点として、特殊災害に対する取り組みを挙げ、日医に対して、自衛隊や(独)放射線医学総合研究所等との連携を更に強めることを求めている。 災害時医療救護協定については、JMAT活動の基礎となるものとして、「災害医療に関する調査」の結果を示しながら、特に都道府県医師会と都道府県知事との協定において重要視すべき項目を掲げている他、防災行政における医療の位置づけを強化し、JMATを国の防災基本計画に位置付けるためにも、日医は引き続き「災害対策基本法に基づく『指定公共機関』の指定」及び「中央防災会議への委員としての参画」を目指すべきだと指摘。JMATに関しては、都道府県(市町村)防災計画及び「5疾病5事業」(災害医療)に基づく医療計画に記載されることが望ましいとしている。 更に、災害医療研修については、JMAT教育研修プログラムを提示。同案に基づき、「JMATに関する災害医療研修会」(3月10日開催)を企画したとしている。 (2)では、救急蘇生法に関して、日医が一般市民、非医療従事者への啓発に引き続き取り組むことを求めている他、日本医師会ACLS(二次救命処置)研修にも言及。研修会指定数、修了書交付者数が減少傾向にあり、修了証交付者の年齢や属性にも偏りがみられることから、救急蘇生法の指針(医療従事者用)の改訂を契機にその内容を見直すことを提案している。 二次救急医療体制については、二次救急医療機関が疲弊し、撤退していくことのないような体制の構築とともに、その機能を十分に発揮してもらえるように、地域医師会が担う初期救急医療体制を充実させることも必要だと指摘。また、平成22年より救急隊の出動件数・搬送件数が急増し、消防庁推計でも高齢化の進展が件数増大につながることが示されていることを踏まえて、超高齢社会における救急搬送・救急医療体制のあり方を提言している。 更に、一般救急医療と精神科救急医療との連携の問題に関しては、救急患者の搬送・受け入れに関わる重要課題だとした上で、その最大の問題は救急医と精神科医との間で、コミュニケーションが取りにくいことにあるとし、各都道府県に対して、その連携体制の早期の構築を求めている。 その他、本報告書には、今期の議論の結果を踏まえて、同委員会が作成した「JMAT要綱(案)」や一般医師向けの放射線入門テキスト「放射線の基礎知識」を巻末に添付している。 報告書の内容を説明した石井常任理事は、今回の報告書や「JMAT要綱(案)」を基に更に議論を重ね、JMATの体制整備や、環境整備を進めていきたいとした。 ◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)
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