細川秀一常任理事は1月10日の記者会見で、1月1日16時10分に発生した「令和6年能登半島地震」に対する日本医師会の対応について説明を行った。
細川常任理事は、まず、日本医師会では、1日の地震発生直後に災害対策本部を設置し、3日には浅沼一成厚生労働省医政局長及び馳浩石川県知事からの協力要請を受け、調整の結果、石川県医師会から「先遣JMAT」が派遣されたことを紹介。
続いて、5日には愛知県医師会の先遣JMATが派遣された他、松本会長名で全国の都道府県医師会に対し、JMATの編成・派遣依頼を行ったとした。
6日には、先遣隊を除いた石川県外からの最初のJMATとして、福岡県医師会のチームが穴水地域を担当。その後は順次JMATが派遣されており、10日時点では、主に七尾、穴水、志賀町へのチーム、JMAT調整本部や支部に詰めるチーム、法医学会のチームなど、合わせて19チーム、69名が派遣され、1月3日からの累計では26チームに上るとして、協力に感謝の意を示した。
また、現在の調整体制について、石川県庁に「JMAT調整本部」が設置されており、能登総合病院内に設けられた「七尾調整支部」では、愛知県医師会が調整を行っていることを説明し、「こうした体制整備により、各都道府県医師会から派遣されてくるJMATの配置調整を行い、効率的な医療支援活動につなげたいと考えている」と述べた。
次に、こうしたJMAT活動等を効果的に行うために、これまで西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震が発生した2018年には日本災害医学会との間で相互協力協定を締結し、同医学会にインストラクター、ファシリテーターを派遣してもらい、「日本医師会JMAT研修」を行ってきた他、昨年は被災地の感染制御チームDICTを派遣する日本環境感染学会とも協定を結んだことを紹介。多くの方が研修を受けたことによって、JMATの避難所等での活動、派遣調整などの統括業務、ロジスティクス機能の強化が図られてきたとした。
その上で、現在被災地に派遣されているJMATは、医師も事務職員も、こうした研修の修了者、あるいは、インストラクター、ファシリテーターで多くが占められていることを説明した他、JMAT調整本部もロジスティクス機能がひっ迫していることから、JMATのロジスティクスチームを創設することを説明した他、外国人患者に備え、電話やビデオによる医療通訳サービスも実施するとした。
細川常任理事は、「今後、被災地の保健医療ニーズは拡大していくことが見込まれる。また、相当の長期戦を覚悟しなければならない」と強調するとともに、被災地の方々の命と健康を守り、石川県医師会を支えていくため、全国の医師会をあげて、関係団体とも連携を取りながら、JMAT活動に取り組んでいく姿勢を示し、災害対応の重要な部分である遺体の検案にも、日本法医学会、警察庁、厚労省等と連携しながらJMAT活動の一部として協力していくとした。
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