令和6年(2024年)2月20日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース
令和6年能登半島地震に対する日本医師会の対応―JMAT活動等について
細川秀一常任理事
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日本医師会定例記者会見 1月24・31日
細川秀一常任理事は、令和6年能登半島地震の発生から約1カ月となることを踏まえ、JMATの活動状況を報告するとともに、今後は、同じ都道府県医師会が同じ地域の診療所や避難所に対し、交代でチームを継続的に派遣する体制へ移行していく必要があるとの認識を示した。
同常任理事はまず、1月30日時点のJMATの派遣状況について、延べ290チーム、計1034人が派遣され、日ごとの累計では延べ3490人に上ることを報告した上で、「今後は可能な限り、同じ都道府県医師会が同じ地域の診療所や避難所に対し、交代でチームを継続的に派遣する体制へ移行していく必要がある」と強調。30日には、日本医師会から都道府県医師会に対して、統括チームを含む25チーム(能登北部12、能登中部3、金沢以南7、調整本部3)ほどの派遣協力を要請したことを明らかにした。
また、「4週間以上に及ぶ避難生活の中で、さまざまな支援者が避難所や地元の診療所等を訪れているため、その対応で疲弊(ひへい)している方々もいることから、地域に根差したベテランのかかりつけ医等で構成するチームを能登北部に派遣して、被災者の気持ちを解きほぐし、サポートを受け入れて頂けるようになることを期待している」と述べた。
その上で、能登北部の交通事情などが改善された折には、かかりつけ医として住民の身近な存在になっている医師や、その医師を支えている看護職などで構成するチームを相当数派遣できるのではないかとの見方を示し、それまでは主にDMAT隊員で構成する「重装JMAT」の派遣を続けていくとした。
重装JMATや統括JMATについては、「ほとんどは病院の勤務医や医療従事者だが、被災地の診療所や医師会に本当に配慮して頂いている」と述べるとともに、JMATの調整本部がある石川県の保健医療福祉調整本部には、DMATや日赤、その他各種団体の本部も設置されていることから、現地での連携が十分図られていることを強調。支援が長期戦となる中で、それぞれの活動範囲や派遣の規模が変わっていく際も、高齢者施設を含めた円滑な引き継ぎ体制を構築し、協力して適切なロードマップを示していくことが重要であるとした。
細川常任理事は、今後の支援を見据え、「石川県に職員を派遣している厚生労働省が、介護施設を所管する老健局なども含め、省を挙げてサポートしていく必要がある」とし、日本医師会としても、現場の調整本部や支部の判断を尊重しつつ、厚労省と連携しながら支えていく意向を示した。
問い合わせ先
日本医師会地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)