「令和6年能登半島地震」第5回災害対策本部会議が2月6日、日本医師会館でWEB会議により都道府県医師会参加の下に開催され、被災地の状況について共有するとともに、現地支援を行った各医師会からJMAT活動を踏まえた課題等、意見交換を行った。
冒頭、あいさつした松本吉郎会長は、能登半島地震の発災から5週間が経過し、JMAT能登北部調整支部(穴水町)を中心に輪島市、能登町や珠洲市への支援が進みつつあるとし、輪島市内の大型宿泊施設の確保により、能登北部の支援活動の幅が広がるとの見方を示した。また、自身も11、12両日に再度、石川県を視察する予定であることを明らかにした上で、2月5日時点でのJMATの派遣状況について、延べ4,334名となったことに謝意を示すとともに、引き続きの協力を求めた。
次に、安田健二石川県医師会長は、JMAT派遣等の支援に対し謝意を述べた上で、能登北部のアクセスが改善されたものの、引き続き能登北部への支援が必要であると指摘するとともに、能登北部及び能登中部から被災者が金沢以南の避難所に搬送されており、1.5次及び2次の避難所での医療活動も行われていることを報告。JMATチームに対して、「長期にわたる支援をお願いしたい」と述べた。
続いて、秋冨慎司石川県JMAT調整本部員/石川県医師会参与/日本医師会統括JMATから、1月6日からの活動体制及び現状や今後の展開等について説明が行われた。
まず、これまでの活動体制について、発災直後に石川県医師会内に災害対策本部を立ち上げ、その下に石川県JMAT調整本部を設置。能登中部の支援体制としてJMAT七尾調整支部(現能登中部調整支部)を置き、その後、能登北部への支援体制として穴水町に能登北部調整支部を置くと同時に、金沢以南にも調整支部を置いて支援してきたが、このたび新たに輪島地区と門前地区に前線指揮所を設けたこと等を報告した。
現状については、「輪島市」「七尾市」「富山市」「金沢以南」の宿泊地別に支援地域をマネジメントしていることや道路状況の改善により、被災地までの移動時間が短縮されてきたことを報告。また、2次避難所の巡回診療において、CPA(心肺機能停止)事案やクラスター発生などが発見されたことなどを挙げ、対応すべき患者を迅速に共有するためのシステムを構築していることを説明した。更に、オペレーションにつながらない課題に対しても、報告書をまとめたシステムができたことを紹介した。
また、今後のJMATとしての支援のあり方については、現地の医師に寄り添い、尊重しながら復旧・復興していくことが重要であるとの考えを示した。
細川秀一常任理事は、都道府県医師会に対し、(1)「重装JMAT」の更なる派遣要請、(2)JMAT能登北部調整支部(現統括JMAT:東京都医師会派遣チーム)の統括JMATを補佐するチームの募集、(3)JMATの派遣体制の再構築の内容―について、前回会議以降のJMAT活動について報告した。
その後の意見交換では、現地でJMAT活動を行った際の課題等が挙げられた。食事介助などの対応から、末長い支援というJMAT活動の本来の役割へのシフトを求める意見の他、引き継ぎの改善策として、現地入りする前の情報提供を求める意見が出されたことについては、秋冨石川県JMAT調整本部員から石川県JMAT調整本部のブリーフィング資料の公開について調整中であることが説明された。
その他、他団体からの支援の相談窓口及び診療所の支援として専門的な今後のニーズへの対応について質問がなされたことに対しては、「相談窓口については、石川県JMAT調整本部と日本医師会とで負担を分散して調整していきたい」とするとともに、専門的なニーズに関しても検討していきたいとした。
◆令和6年能登半島地震 災害対策本部会議(※メンバーズルーム)
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