松本吉郎会長は3月8日に厚生労働省を訪れ、武見敬三厚生労働大臣に、令和6年能登半島地震により被害を受けた医療機関等の早期復旧及び再建の実現に向け、補助金等の支給、医療・介護従事者の確保等を求める要請書を手交した。 |
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当日の会談で松本会長は、先の地震により石川県を中心とした多数の医療機関や介護施設等が深刻な被害を受け、今なお本格復旧には至っていない現状を説明した上で、要請書の内容を概説。
国に対して、(1)医療施設等災害復旧費補助金等による支援等、(2)被災地の医療・介護従事者の確保、(3)他省庁との連携―の3点について、格別の配慮を求めるとともに、補助に当たっては、被災医療機関等が公的か民間かを問わず、事業者負担を極力最小限に抑えられる対応を要請した(具体的な要請項目は下掲参照)。
これらの要請に対して、武見厚労大臣は一定の理解を示すとともに、被災地への支援策はある程度充実してきており、運用で手当てしていけるのではないかと指摘。更に、避難者が元の居住先等へ戻るには、まず医療機関や介護施設が復旧していることが不可欠であり、そのためには何より住居が必要であるとして、いわゆるエッセンシャルワーカーの住居の確保を優先的に対応していく意向を示した。
これを受け松本会長は、特に看護職員の確保が困難となっている状況を報告。「看護職員が確保できなければ医療機関等の復旧は困難であり、何とか復旧できたとしても継続していけない」と、被災地を面で支える地域医療の今後に危機感を表すとともに、金沢以南に避難した患者の帰還を実現するにも、被災地の医療提供体制が整っていなければならないとして、そのための更なる財政支援を求めた。
また、松本会長は、(1)災害派遣医療チーム(DMAT)に続き、日本赤十字社の撤収も進みつつある中で、日本医師会災害医療チーム(以下、JMAT)が、被災者の医療支援、健康管理において重要な役割を果たしている、(2)石川県庁が取りまとめた結果によると、災害関連死はJMATが多数派遣された2月や3月は発生しておらず、1月下旬以来15人にとどまっている―ことなどを説明。JMATの派遣を今後も続けていくためにも、災害救助法の医療関係の適用期間を必要に応じて延長することを併せて要請した。
その他、両者は、被災地には引き続き長期の支援が必要であり、国と日本医師会で緊密な連携を取りながら支援を行っていくことを確認。松本会長は、被災地の地域医療が復旧するまで、現場の需要に応じてJMATを派遣するなどの支援を継続していく意向を伝えた。
具体的要請事項 |
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1.医療施設等災害復旧費補助金等による支援等について
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問い合わせ先
日本医師会地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)