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令和6年(2024年)3月13日(水) / 「日医君」だより

「令和6年能登半島地震」災害対策本部会議(第10回)

 「令和6年能登半島地震」第10回災害対策本部会議が3月12日、石川県、富山県、福井県及び東京都の各医師会がWEB会議で参加の上、日本医師会館で開催された。

 冒頭、あいさつした松本吉郎会長は、3月8日に厚生労働省を訪れ、令和6年能登半島地震により被害を受けた医療機関等の早期復旧及び再建の実現に向け、補助金等の支給、医療・介護従事者の確保等を求める要請書を武見敬三厚生労働大臣に手交したことを報告。また、二次避難所からの退去を迫られている人々への対応も求めたとした。

 続いて、現地の状況について、安田健二石川県医師会長と秋冨慎司石川県JMAT調整本部員/石川県医師会参与/日本医師会統括JMATが説明を行った。

 安田石川県医師会長は、松本会長を始めとする日本医師会執行部及び事務局、被災地へのJMAT派遣を継続している各都道府県医師会に謝意を示した上で、当初、200名を超えると見込まれていた災害関連死が15名にとどまっており、特にJMATが巡回している避難所からは1名も出ていないことを報告。

 また、被災したクリニックの医師達が、JMATの支援を受けて再起しつつあるとし、このような地道なJMATの活動とその功績を広報していく重要性を強調した。

 秋冨石川県JMAT調整本部員は、現在もJMATが20~25チーム派遣されている状態の中で、撤収に向け、地域の医療機関や石川県医師会に引き継いでいくステージに入ってきているとし、その出口戦略を説明した。

 ただし、現状では、(1)保健所が各地区を把握しているのか、(2)保健所と拠点病院、医師会がリンクしているのか、(3)現場の保健師や医療現場の情報が共有されているのか―が不透明であるとし、日本赤十字社が3月中旬に被災各地から撤収しつつある中で、これらの状況改善を課題に挙げた。

 能登北部についても、「4月には石川県医師会でマネジメントできるようダウンサイジングしていく」と説明。一方、同地域の高齢者施設に多くの入所者が戻ってくる予定であることなどから、嘱託医などと地域医療を支えていくための話し合いをしていく意向を示した。

 この他、現地で活動するJMAT隊員の安全を確保するため、位置情報を入力することで行程を把握できるアプリを開発中であることを明らかにした。

 引き続き、参加医師会から意見が述べられ、村上美也子富山県医師会長は、「災害関連死が少なく抑えられていることはJMAT活動の賜物である」とした上で、中長期的ケアのため看護師や介護士の必要にも対応していくことを求めた。

 佐原博之常任理事は七尾市にある自院の状況を例示しながら、医療的ニーズについては落ち着いてきているとし、JMATの協力に改めて感謝を述べた。

 最後に松本会長は、今後のJMAT派遣について検討するためにも、次回、派遣の必要人数等の状況を共有するよう秋冨石川県JMAT調整本部員に要望した。

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