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令和6年(2024年)6月25日(火) / 「日医君」だより

合同記者会見「2期目は一段進める医療政策を」

 松本吉郎会長は6月22日の第156回日本医師会定例代議員会終了後、茂松茂人・角田徹・釜萢敏の3副会長と共に記者会見に臨み、2期目に当たっての考えなどを説明した。

 松本会長は、2期目の会長として選任されたことに対し、「非常に身の引き締まる思い」とした上で、(1)地域から中央へ、(2)更なる信頼を得られる医師会へ、(3)医師の期待に応える医師会へ、(4)一致団結する強い医師会へ―をテーマに掲げ、社会保障費や医療費の課題の他、医師の偏在、かかりつけ医機能、働き方改革、医療DX、災害対策、新興感染症対策などの諸課題に対し、一段進める医療政策を打ち出して強力に進めていくとの抱負を語った。

 続いて、2期目となる茂松・角田両副会長、1期目となる釜萢副会長の3副会長が今後の抱負をそれぞれ語った。

 茂松副会長は、「この2年間、厳しい中で頑張ってきたが、これから更に厳しくなると考えている」との見通しを示しつつ、「とにかく我々が国民の医療を守り、そして我々が適切な医療を行えるよう、松本会長を支えていく」との意気込みを述べた。

 角田副会長は、「この2年間本当に厳しい状況の中、松本会長を筆頭に執行部一丸となって当たってきたが、この後の2年間は更なる困難が予想されるので、一枚岩になって医師会としての役割をしっかり果たし、そして国民を守ることに努めたい」とした。

 釜萢副会長は、「医師会が取り組むべき課題は非常に多岐にわたり、多くの困難を伴う課題ばかりだが、常任理事10年の経験を生かし、松本会長を全力で支えるとともに、新たに常任理事として役員に加わった方々にこれまでの経験を伝える役割も担っていると考えている」と強調。また、日本医師連盟の組織内候補に推薦されたことから、来年7月の参議院選挙に向け、全国を回って理解を求めていくことも重要だとして、両方に尽力していく姿勢を示した。

 その後の記者との質疑応答の中で松本会長は、2期目に当たり、特に医療機関の経営の問題に取り組むとした上で、今期の診療報酬改定では医療従事者の賃上げが手当てされた一方、物価高騰に対する支援が不十分だったことから、次期改定に向けて働き掛けを行っていくとした。

 また、茂松・角田両副会長より、今後は更に厳しい2年になるとの見通しが示されたことを踏まえて改めて見解を問われ、「私も、この次の2年はもっと厳しくなると思っている」と懸念。政府与党との距離感に関する質問に対しては、「この2年間、政府与党との関係強化に取り組んできたが、政策が法改正や省令改正に反映されるためには、国会議員の先生方の力が欠かせないので、良好な関係を更に築いていけるように努力していく」と述べ、病院団体とも引き続き連携しつつ、勤務医の意見も吸い上げ、医療界で一致団結して臨むことが重要だとした。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年を控え、政府がますます社会保障費の歳出改革を行う動きに対しては、「社会保障費をきちんと確保することは国民に対しての重要な責務だと考えている。団塊世代が後期高齢者となるが、必要な医療はしっかりと行っていくべきだ」として、政府に社会保障費の財源確保を求めていくとした。

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