閉じる

令和7年(2025年)4月20日(日) / 日医ニュース

勤務医は多様な働き方が選択できる

勤務医のひろば

勤務医は多様な働き方が選択できる

勤務医は多様な働き方が選択できる

 私は1989年に琉球大学を卒業後、母校大学院で4年間基礎研究に従事し、1993年に鳥取大学医学部附属病院第一外科(現・消化器外科)に入局した。
 入局後は山陰の多くの病院をローテートし、諸先輩方から外科医としての手ほどきを受けた。各病院への派遣は短期間の場合もあり、現在の鳥取赤十字病院に20年前に着任するまでに10回転勤した。
 若い頃の私は、外科医であれば『切りまくる』ことこそが使命だと信じていたが、離島の診療所や、ケアミックス型病院での勤務を経験するうちに、やりたいことをやるだけではなく、求められることを行うことの大切さに気が付くようになった。
 ケアミックス型病院で必要性に駆られて始めたNST(Nutrition Support Team)、ICLS(Immediate Cardiac Life Support)などの活動は現在でも行っている。
 NSTでは転勤直後に自院での活動を開始し、地域で専門療法士を育成するとともに栄養連携を行う活動へ展開している。
 院内急変への対応を学ぶために受講したICLSでは、インストラクターの資格を取得し、10年前に地域の有志とNPOを立ち上げ、自院を含む地域の医療従事者への心肺蘇生のコース運営などを行うようになった。
 また、その延長線上で救急部と災害医療を任せて頂くようになった。
 赤十字の使命である災害救護では、東日本大震災を始め、昨年の能登半島地震まで多くの災害出動を経験させて頂き、地域の災害医療コーディネーターにまで活動は広がっている。
 外科医としての経験にとどまらず、地域医療の発展や人材育成に寄与することで、多様な働き方ができることを実感している。勤務医としての柔軟性と対応力を生かし、今後も地域医療の向上に努めていきたいと考えている。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる